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待ちに待たされた第5巻ですが、TVアニメ化すると書いてあってもっとびっくり。TVアニメ版は4歳の紫音編があるんだろうか。しかし、作者もこんな大きいヒントやっちゃっていいの。というのが読んだ感想である。もっと犯人探しの話題で盛り上がってくれることを期待していたのだろう。 この漫画将棋のほうが注目されてしまっているんですが、これいわゆる犯人探しのミステリー物だということを忘れてはいけない。原作者は女流棋士時代にもTVドラマ化された小説書いた実績を持つ。この物語をひもとく鍵は「表面にだまされるな」ということに尽きる。非常に巧みに構成されすぎているせいか、地味で淡々と動いているようにしか見えないのだ。将棋の相手の手を読むように、詰め将棋の作意を読むように、登場人物がこういう行動を取るのはなぜか、会話の節々によく注意して読んでみることだ。 この物語は8年前の事件の真相を解明しようと手段を尽くし(時には手段をいとわず)、真犯人をあぶりだそうとする人たちとそれを阻止、妨害しようとする人物との心理戦なのだ。紫音はこの2つの動きの狭間におかれ振り回されるのである。 では第5巻における紫音の靴ヒモ切断事件を振り返ってみよう。 紫音は、羽仁悟との対戦を終え、午後5時までの対局までに「外で何か食べよう」と育ての父の安岡八段に誘われ外に出ようとした。そのときである。 斉藤歩が紫音の靴ヒモが切られているのを発見したのだ。ちょうどそのときである将棋協会の古田さんが血相かかえて駆け込んできた。対局棋譜が血で汚れていたのだ。棋譜に自分の血をつけたのは羽仁悟である。しかし、靴のヒモが切られたのはもっと前になるはずである。 なので羽仁悟が「この事件に関しても犯人である」という証拠は一切ない。 紫音たちはやむなく中に戻り、午後5時から2局の対局をこなした。安岡八段は紫音のため靴を買いに外に出てそのついでに「誰かとおしゃべりしてきた」その間約3〜4時間くらいあるだろう。横山刑事は安岡八段から提出された血染めの棋譜とヒモを切られた靴を証拠として預かるものの羽仁悟を事情聴取することには消極的である。「将棋協会の体面」と「安岡八段の立場」を考慮してである。 さて、羽仁悟はなぜわざわざ自分の血を棋譜に残したのだろうか。紫音が自分の挑発に乗ってくれないことの苛立ちであろうか。いや真犯人との対決を前に後々のことを考えてのことに違いない。おそらくこのことにより彼がシロであることが証明されるのだろう。 この小さな事件の犯人がわかればこの事件のミステリーの謎を解ける日は近いであろう。いわばこの小さな事件は作者が読者のために用意した練習問題なのだ。このミステリーを解くための定跡を学ぶための。 |
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