アニメ版ガラスの仮面(1984):第9話…マヤ映画に初出演

1984年に日本テレビ系で放映されたアニメ「ガラスの仮面」の3巻目は第9話から12話まで。ただこの中でマヤの映画初出演のエピソードは原作の中でも一番好きな場面の一つだったので今回はその第9話を徹底解剖してみたい。

映画に初出演といっても名前も出ない端役である。足が不自由な少女が落としたテニスラケットを難病で入院する主人公の元に届けるといったものだが、これが主役田淵エミと足の不自由な少女を演じる北島マヤの現在の状況とぴたりとマッチするだから面白い。原作では監督が北島マヤの存在を知っていたかはよくわからない。アニメ版では明らかに正体を知った上で起用している。それはマヤの一挙一動を真剣に見つめる監督のシーンからわかる。田辺先生の登場はダメ押しに過ぎない。

今となって考えてみると足の不自由な少女の役は北島マヤのためにというよりも田淵エミに演劇の厳しさを知らしめるために作られた役なのではないか。監督が演技に真剣になろうとしない主役田淵エミに手を焼いていたということは原作でもうかがわれるし、アニメ版はここをさらに突っ込んでいる。アイドルとしてちやほらされ、いい気になっている子に一番の薬は同じ年頃、無名でどんなに小さな役にでも情熱を注いでくれる少女なのだ。北島マヤはその大役にまさに適役だった。もしかしたらあのオーディション自体が北島マヤを引きずり出すために仕組まれたものかもしれない。演劇の実績のないマヤにはハードルの低いオーディションでなければならないのだ。そうなると演出の田辺氏がマヤの演技をわざわざ見学に来た理由もうなずけるのだ。その田辺先生はマヤが出演していた演劇コンクールで審判をつとめていた。その場に立ち会った人間であれば当然これだけ才能がある少女を埋もれさせてはいけないと考えるだろう。「君たちには目がないのかね」これは映画の製作スタッフが北島マヤの才能を見抜けないことを田辺氏がなじっていたのかとも見れるが「この役がどれほど重要かわかっていないのかこのあほ」と言いたかったのかも知れない。田辺氏の目論見は見事的中。その後田淵エミが演技に真剣に打ち込んだであろうことは想像に難くない。それは映画終了後の田淵エミのインタビューでも見て取れる。そしてマヤがアップにされた映画を見ていてほくそ笑む速水真澄。彼も一枚絡んでいたんじゃあ。。。

(10月31日一部加筆)
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